特商法から外れても、消費者契約法が解約金を縛る
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解約金を請求されたら、まず「どの契約を、いつやめたか」と「何円を何の名目で求められたか」を分けてください。 特定商取引法の対象となる結婚相手紹介サービスなら、中途解約(期間の途中でやめること)の規定を確認します。対象外の契約でも、消費者契約法9条の違約金条項などを検討できます。どちらも、請求額が自動的にゼロになる制度ではありません。
対象契約か
- 紹介サービスの中身・期間・総額を確認
- 2か月超かつ5万円超なら特商法の解約規定を確認
請求の中身は
- 提供済みサービスの対価と違約金を分ける
- 契約書と請求書の名目・計算を並べる
分からない額は
- 算定根拠の概要を求める
- 回答と契約書を持って相談する
料金の名前だけでは返金額は決まらない。対象契約、提供済みの役務、違約金を分ける
先に手元でそろえる三つの書類
契約書面(契約したあとに渡される書面)、解約を伝えた記録、請求書または精算書を並べます。契約期間、支払総額、いつからサービスを受けたかを、分かる範囲で記入してください。月会費を払った月と、役務を受けた時期も同じとは限りません。返金の相談では「今月分は返らない」という一言だけでなく、計算の内訳を求めるほうが具体的です。
特定継続的役務提供(法律が指定した長く続くサービスの契約)の条件は対象契約の判定にまとめています。条件に当たるなら中途解約の上限と計算を先に見ます。対象外だと分かっても、契約書の違約金条項をそのまま受け入れる前に、消費者契約法の確認ができます。
平均的な損害を超える違約金
消費者契約法9条1号は、同じ種類の契約で、解除の理由や時期に応じて事業者に生じる平均的な損害を超える部分を無効とします。決まった一律の金額を示す規定ではありません。
消費者契約法9条1号を開く
当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの
ここで比べるのは、いま請求されている違約金と、同種の契約に関する平均的な損害です。事業者の請求額そのものを「実際の損害」とみなすわけではありません。法律が定める具体額と同じ計算をしてよいとも限りません。提供済みサービスの対価と違約金も混ぜないでください。
算定根拠を聞く文面
消費者契約法9条2項は、消費者から説明を求められた場合に、事業者が違約金などの算定根拠の概要を説明するよう努めなければならないと定めます。
消費者契約法9条2項を開く
事業者は、消費者に対し、消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項に基づき損害賠償又は違約金の支払を請求する場合において、当該消費者から説明を求められたときは、損害賠償の額の予定又は違約金の算定の根拠(第十二条の四において「算定根拠」という。)の概要を説明するよう努めなければならない。
問い合わせ文例:「○月○日に解約を伝えました。請求された○円について、提供済みのサービスの対価と違約金を分け、違約金の算定根拠の概要を教えてください。契約書のどの項目に基づく額かも示してください。」
説明を求めれば必ず納得できる回答や返金が得られる、という制度ではありません。回答が来たら日時と文面を保存します。回答がない場合も、送った問い合わせの控えを残してください。
勧誘時の説明も別に記録する
解約金と違い、入会したときに受けた説明が問題になることもあります。消費者契約法4条3項5号は、経験が乏しいことによる結婚への過大な不安を知りながら、その不安をあおって、正当な理由なく契約が必要だと告げるなど、複数の要件を定めています。
「今入らなければ結婚できない」と言われた場合は、その言葉だけで取消しを決めず、発言の前後と契約までの経緯を書き留めます。
全文を開く(160字)
当該消費者が、社会生活上の経験が乏しいことから、次に掲げる事項に対する願望の実現に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおり、裏付けとなる合理的な根拠がある場合その他の正当な理由がある場合でないのに、物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものが当該願望を実現するために必要である旨を告げること。
「強く勧められた」だけで取消しになるわけではありません。いつ、誰に、どんな言葉で何を勧められたか、そのためにどう思って申込みをしたかを、解約金とは別のメモにします。事実と違う説明を受けた場合も、やりとりを保存して相談します。
取消権には期間の定めがあります。消費者契約法7条1項の一部は次のとおりです。
第四条第一項から第四項までの規定による取消権は、追認をすることができる時から一年間(同条第三項第八号に係る取消権については、三年間)行わないときは、時効によって消滅する。
どの理由で取り消せるか、いつから数えるかは個別に確認が必要です。特商法の8日と、消費者契約法の取消期限を同じものとして数えないでください。
月会費と違約金を混ぜない
「月会費を返してほしい」という相談でも、何月の、どのサービスの対価かによって見方が違います。解約したあとも続く月会費の請求なのか、すでに受けたサービスの対価なのか、解約を理由に加えられた違約金なのかを分けます。たとえば請求書が「会費2か月分」としか書いていなければ、その2か月が契約期間のどこを指すか、いつ退会を伝えたかを確かめます。サービスを受けた日と支払った日も別々に記録しましょう。
自動更新のある契約なら、更新日と退会の締切、通知先も確認します。消費者契約法9条の話だけで次の課金が自動的に止まるわけではありません。定められた退会手続を進め、提出の控えを残してください。金額の争いと、これからの課金を止める手続は並行して進められます。
相談先へ持っていくメモ
「契約した日・役務が始まった日・解約を伝えた日」を一行ずつ書き、支払額と請求額をその横に並べます。条項の文面が分かる契約書、入会時の説明メール、解約の返信、精算書を持参します。消費者ホットライン188や相談先の案内で、どの制度を使えるか、金額の内訳をどう確かめるかを相談できます。
月額課金型でも、「1回に払う額が5万円以下だから対象外」とは決めません。契約期間と支払う約束をした総額、サービスの内容から判断します。一方、すでに提供された月のサービスの対価を、解除に伴う違約金と呼び替えることもできません。名称より内容を確認することが大切です。
この記事で確かめたこと
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