概要書面は契約する前にもらう
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対象となる結婚相談所の契約では、署名する前に概要書面(契約する前に渡される書面)を受け取ります。 期間、支払総額、途中でやめる場合の条件を、口頭説明と照らしてから決めてください。
面談中にサインを求められても、書面がまだならその場で決める必要はありません。
面談でサインを求められたら
概要書面を受け取る
期間・総額・追加費用・中途解約を読み、説明と照らす。
契約書面を受け取る
結んだ内容を確かめ、受領日を記録する。
まず持ち帰って見る5項目
- 契約期間と、サービスが始まる日
- 入会時・毎月・成婚時を含む支払総額
- 中途解約したときの精算条件
- 別途購入する商品やオプションの有無
- 面談で聞いた説明との食い違い
特に料金表の欄外や、月会費以外の費用を見落とさないようにします。違いがあれば署名前に質問し、回答を記録してください。
契約前の交付が義務(42条1項)
条文の書き方はこうです。
全文を開く(219字)
役務提供事業者又は販売業者は、特定継続的役務の提供を受けようとする者又は特定継続的役務の提供を受ける権利を購入しようとする者と特定継続的役務提供契約又は特定権利販売契約(以下この章及び第五十八条の二十二において「特定継続的役務提供等契約」という。)を締結しようとするときは、当該特定継続的役務提供等契約を締結するまでに、主務省令で定めるところにより、当該特定継続的役務提供等契約の概要について記載した書面をその者に交付しなければならない。
「締結するまでに」「交付しなければならない」です。契約の後ではなく、決める前に渡すものだと条文が定めています。
概要書面は決める前に条件を読むための書面です。受け取っていないときは、先に交付を求めてください。
契約書面とは別のもの(42条2項)
もう1つ、契約した後に渡される書面があります。
全文を開く(113字)
役務提供事業者は、特定継続的役務提供契約を締結したときは、遅滞なく、主務省令で定めるところにより、次の事項について当該特定継続的役務提供契約の内容を明らかにする書面を当該特定継続的役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
こちらが契約書面で、契約したあとに渡されるものです。2つの書面は役割が違います。
クーリング・オフの8日を数えるのは、契約書面を受け取った日からです。概要書面の日付ではありません。ここを混同すると起算日を間違えます。
契約書面の記載事項は契約書面に書くことは決まっているにまとめました。
出せないと言われたら
「契約後にまとめてお渡しします」と言われることがあります。条文は「締結するまでに」としているので、その運用は求めと合いません。
その場で出せないなら、こちらは決めない、という判断ができます。急がされる理由がこちら側に無いなら、待つほうが安全です。
概要書面が無いまま契約すると、後で条件を確かめる材料が契約書面だけになります。比べる相手が無い状態で決めることになります。
対象条件と実際の書面を照らす
期間と金額は、特定商取引法の対象になるかの判定にも使います。対象は特定継続的役務提供、つまり法律が指定したサービスです。判定の手順は特定継続的役務提供は2か月と5万円で決まるにまとめました。
概要書面の義務がかかるのも、この対象に当たる契約です。このサイトが載せているシーネット結婚相談所は、入会金のあるコースが100,000円(税込)で契約期間が2か月を超えるため、当たる側です。つまり概要書面を受け取れます。
同じくこのサイトが載せているウェルスマは、特定商取引法に基づく表示で役務の提供期間を「IBJシステムにプロフィールを公開した月から1年間」と書いています(2026年9月1日確認)。期間の起算点まで公表ページで読める形です。概要書面の記載事項に役務の提供期間が入っているので、先に読んでおくと書面を受け取ったときに突き合わせられます。
金額は料金ページに税込のテキストで出ているので、申し込む前に自分で当てはめて確かめられます。
ただし、料金ページの表に全部が並んでいるとは限りません。ハッピーカムカムは入会金88,000円(税込)を表に出したうえで、初回のみかかる登録料33,000円(税込)を表の外の注記に置いています。表の数字だけを足すと、最初に払う額が33,000円ぶん小さく出ます。
概要書面のほうは、法律が記載事項を決めています。表と注記の両方が入っているかは、そこで突き合わせることになります。
面談での説明と書面が違う場合、後に残るのは書面のほうです。違いを見つけたら、契約する前に指摘してください。
聞けば答える義務が生まれる(44条2項)
概要書面を読んで分からないことがあれば、聞くのが正解です。黙っていることについても条文の制限があります。
役務提供事業者又は販売業者は、特定継続的役務提供等契約の締結について勧誘をするに際し、前項第一号から第六号までに掲げる事項につき、故意に事実を告げない行為をしてはならない。
故意に事実を告げない行為は禁じられています。聞かれなければ言わない、という対応はこの線に触れる場合があります。
聞くのは失礼ではありません。中途解約したらいくら返るのか、成婚料はいつ発生するのか、休会中も月会費がかかるのか。遠慮せずに聞いて、答えをメモに残してください。
聞いても答えない、あるいは事実と違うことを答えた場合は、44条2項に触れます。その状態で申し込んだ契約は、49条の2で取り消せることがあります。判断の材料は、事実と違うことを告げる行為(不実告知)を条文ごとに並べた不実告知など、勧誘で禁じられていることにあります。
家に持ち帰る前に
その場でできることがあります。書面に日付と担当者名が入っているかを確かめ、入っていなければ書き入れてもらいます。
写真を撮っておくのも有効です。あとで「渡していない」と言われたときに、いつ受け取ったかを示せます。
同席者がいるなら、その人にも読んでもらってください。1人で読むより、聞いた説明との食い違いに気づきやすくなります。
複数の相談所を比べるとき
概要書面をもらえるということは、複数の相談所から集めて並べられるということです。面談を受けた分だけ書面が手元に残るので、同じ項目で比較できます。
比べるのは、期間、総額、中途解約の扱い、紹介の回数、担当が付くかどうか。広告のうたい文句ではなく、書面に書かれた条件で並べてください。
1社だけ見て決めると、その条件が業界の標準なのかどうかが分かりません。2社か3社から書面をもらってから決めるほうが、判断の材料が増えます。
その場の割引に注意する
「今日決めていただければ入会金が半額」という提示があります。判断を急がせる仕組みなので、割引の額と、急いで決めることの損を比べてください。
入会金が数万円下がっても、契約の中身が合っていなければ意味がありません。やめたときに戻る額は政令の上限で決まっていて、割引とは関係なく効きます。
本当に良い条件なら、後日でも受けられることが多くあります。「今日だけ」と言われたら、それが本当かを書面で確かめてください。
勧誘の場面での制限
その場で決めさせようとする力がかかることがあります。勧誘には条文の制限があり、威迫して困惑させることも禁じられています。
事実と違うことを告げる勧誘は禁じられています。不実告知など勧誘で禁じられていることにまとめました。帰ると言って帰れない状態なら、その場では決めないでください。
電子で受け取る場合
書面の代わりに電子メールなどで送る方法も条文で認められています。その場合は本人の承諾が要り、承諾したうえで送られたものは書面を交付したものとみなされます。
紙でほしいなら、そう言えば紙で受け取れます。承諾していないのにメールだけで済まされた場合、交付があったといえるかが問題になります。
ただし、どんな送り方でもよいわけではありません。特定商取引法施行規則97条2項が、満たすべき基準を号で置いています。
一特定継続的役務の提供を受けようとする者等がファイルへの記録を出力することにより書面を作成できるものであること。
二ファイルに記録された書面に記載すべき事項について、改変が行われていないかどうかを確認することができる措置が講じられていること。
1号は、受け取った側が印刷して書面にできることを求めています。閲覧しかできないページへのリンクを送られた場合、この基準を満たすかが問題になります。
メールで受け取ったなら消さないでください。受信日時が残っていることが、いつ受け取ったかを示す材料になります。印刷して保管しておくとなお確実です。
提出する書類も相談所ごとに違うので、この書面で確かめられます。独身証明書の取り方は独身証明書は本籍地に請求するにまとめました。
ネットの申込み画面にも、表示の義務がある(12条の6)
ここまでは相談所の窓口で受け取る場面でした。申込みをウェブの画面で済ませる場合には、別の条が重なります。12条の6第1項です。
12条の6第1項を開く
販売業者又は役務提供事業者は、当該販売業者若しくは当該役務提供事業者若しくはそれらの委託を受けた者が定める様式の書面により顧客が行う通信販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み又は当該販売業者若しくは当該役務提供事業者若しくはそれらの委託を受けた者が電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により顧客の使用に係る電子計算機の映像面に表示する手続に従つて顧客が行う通信販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み(以下「特定申込み」と総称する。)を受ける場合には、当該特定申込みに係る書面又は手続が表示される映像面に、次に掲げる事項を表示しなければならない。
長い条文ですが、読むのは末尾です。申込みの手続きが表示される画面に、決められた事項を表示しなければならないとしています。分量や、料金・支払いの時期・解除に関する事項がそこに入ります。最後の確認画面に金額と解約の条件が出ているかを見る根拠が、ここにあります。
表示がなかったり、事実と違う表示をされた場合の規定も置かれています。15条の4です。
15条の4を開く
特定申込みをした者は、販売業者又は役務提供事業者が当該特定申込みを受けるに際し次の各号に掲げる行為をしたことにより、当該各号に定める誤認をし、それによつて当該特定申込みの意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
誤認して申し込んだときは取り消せます。各号に挙がっているのは、12条の6第1項に違反して不実の表示をした場合と、表示をしなかった場合です。
この章と、特定継続的役務提供の章は、どちらも掛かります。特定継続的役務提供の側の適用除外は50条にありますが、そこに通信販売は入っていません。
この章の規定は、次の特定継続的役務提供については、適用しない。
続く各号は、営業のための契約、国外にいる人への提供、国や地方公共団体が行うものです。ウェブで申し込んだことは除外の理由になりません。だから画面での申込みでも、概要書面と契約書面の交付も、クーリング・オフも残ります。
書面が出てくるより前の段階で見ておくことは結婚相談所の入会前に見る6つのことに分けて書きました。
この記事で確かめたこと
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