不実告知など、勧誘で禁じられていること
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面談で「必ず結婚できる」と言われた。解約を求めたら引き止められた。どの言葉が問題で、何を残しておけばよいのでしょうか。
事実と違う説明、重要な事実を故意に告げない行為、威迫して困惑させる行為には、特定商取引法の制限があります。言葉だけで違反や取消しを決めず、説明された場面と契約したあとに渡される契約書面を照らしてください。やりとりも残しておきます。
言われた場面から確認する
- 01 広告表示と根拠を保存成婚率・料金・期間の表示
- 02 面談説明を持ち帰る効果の約束・追加費用・断り方
- 03 解除時やりとりを記録解約を妨げる説明・日付
先に残すもの
広告・料金表の表示、面談で聞いた言葉と日付、契約する前に渡される概要書面、解約を求めたときのメールを分けて保存します。あとで相談するときは「いつ、誰から、何を言われ、何を信じて契約したか」を順に説明できるようにします。面談の場で迷ったら契約せず、条件を書面で持ち帰ってください。
嘘を言ってはいけない(特定商取引法44条1項)
まず不実告知です。
役務提供事業者又は販売業者は、特定継続的役務提供等契約の締結について勧誘をするに際し、又は特定継続的役務提供等契約の解除を妨げるため、次の事項につき、不実のことを告げる行為をしてはならない。
「勧誘をするに際し」だけでなく「解除を妨げるため」も入っています。入るときも、やめるときも、事実と違うことを言ってはいけません。
対象になる事項が各号に並んでいます。1号がこれです。
役務又は役務の提供を受ける権利の種類及びこれらの内容又は効果(権利の場合にあつては、当該権利に係る役務の効果)その他これらに類するものとして主務省令で定める事項
サービスの内容と効果です。「必ず結婚できます」「1年以内に決まります」といった言い方は、効果について事実と違うことを告げる行為にあたる可能性があります。
商品についても同じ(44条1項2号)
2号が商品の話です。
全文を開く(107字)
役務の提供又は権利の行使による役務の提供に際し当該役務の提供を受ける者又は当該権利の購入者が購入する必要のある商品がある場合には、その商品の種類及びその性能又は品質その他これらに類するものとして主務省令で定める事項
契約に伴って購入が必要と説明された商品についても、種類や品質を偽ってはいけません。写真撮影や服装の助言は役務なので、それ自体をこの号の「商品」と扱わず、サービス内容と追加費用を別に確認します。
「この写真でないと紹介できない」と言われた場合、それが本当に必要なのかを書面で確かめてください。契約したあとに渡される契約書面には、購入する必要のある商品がある場合はその商品名が書かれます。
黙っていることも禁じられる(44条2項)
言わないことについても定めがあります。
役務提供事業者又は販売業者は、特定継続的役務提供等契約の締結について勧誘をするに際し、前項第一号から第六号までに掲げる事項につき、故意に事実を告げない行為をしてはならない。
故意に事実を告げない行為も禁止されています。不利なことを聞かれなければ言わない、という対応は、この定めに触れる場合があります。
期間の途中でやめたらいくら返るのか、成婚料はいつ発生するのか、休会中の月会費はどうなるのか。重要な条件を質問し、回答と書面の記載を残します。質問しただけで、すべての回答が法的に保証されるわけではありません。
威迫して困惑させてはいけない
条文の3項に、威迫の禁止があります。契約を結ばせるため、または解除を妨げるために人を威迫して困惑させることが禁じられています。
「いま決めないと枠が無くなる」「ここまで時間を取ったのに」といった言い方で帰りにくくさせるのは、この線に近づきます。
帰ると言って帰れる状態でなければ、その場では決めないでください。持ち帰って読む時間を求めるのは当然のことです。
広告にも規制がある(43条)
面談の前段階、つまり広告についても定めがあります。
全文を開く(178字)
役務提供事業者又は販売業者は、特定継続的役務提供をする場合の特定継続的役務の提供条件又は特定継続的役務の提供を受ける権利の販売条件について広告をするときは、当該特定継続的役務の内容又は効果その他の主務省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
成婚率や会員数の表示がここに関わります。裏付けの資料を出せなければ誇大広告とみなされる仕組みもあります。
該当するとクーリング・オフが延びる
禁止行為があった場合、期間の扱いが変わります。
クーリング・オフの条文には括弧書きがあり、事業者が解除に関する事項について不実のことを告げたために誤認した場合や、威迫されて困惑した場合には、改めて解除できる旨を書いた書面を受け取った日から8日になります。
8日を過ぎても、説明や威迫の内容と、誤認・困惑により解除しなかった事情によっては扱いが変わります。過ぎたと決めつけず、勧誘や引き止めの記録を持って相談してください。
起算点の考え方は結婚相談所のクーリングオフは書面で行うにまとめました。
効果について言えないこと
結婚できるかどうかは相手のいることなので、事業者が保証できるものではありません。それにもかかわらず「必ず」「確実に」といった言い方が出てくることがあります。
条文が対象にしているのは「役務の内容又は効果」なので、成婚を保証する言い方は、事実と違うことを告げる行為にあたる可能性があります。
判断に迷ったら、その言葉を書面に書いてもらえるかを聞いてください。書面に記載されない約束なら、契約条件としてどう扱われるかを確認します。
家族や同席者がいる場面
親と一緒に説明を聞きに行く場面があります。契約するのは本人なので、説明も本人に対してされる必要があります。
同席者を説得して本人に決めさせる、という進め方になった場合、本人が判断する時間が奪われます。持ち帰って一人で読む時間を作ってください。
逆に、本人が乗り気でないのに家族が契約を進めることもあります。契約の当事者は本人なので、本人が書面を受け取り、本人が判断することになります。
禁じられているだけでなく、取り消せる(49条の2)
44条1項は「してはいけない」と書いている条文です。言われてしまった側に何ができるかは、49条の2のほうに置かれています。
49条の2を開く
特定継続的役務提供受領者等は、役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務提供等契約の締結について勧誘をするに際し次の各号に掲げる行為をしたことにより、当該各号に定める誤認をし、それによつて当該特定継続的役務提供等契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
その各号には、事実と違うことを告げられて事実だと誤認した場合などが入ります。禁止行為があっただけで自動的に取り消せるのではなく、誤認と契約した経緯も確認が必要です。 消費者庁の特定商取引法ガイドも、勧誘による誤認と申込みの関係を条件として説明しています。
取り消すと、支払ったものを返してもらう話になります。手続きとクーリング・オフとの違いは結婚相談所のクーリングオフは書面で行うにあります。
相談所との契約がこの章に当たらないときもあります。そのときは消費者契約法のほうが受けます。特商法から外れても、消費者契約法が解約金を縛るにまとめました。
違反があったらどこに言うか
禁止行為にあたると思われる勧誘を受けた場合、まず消費生活センターに相談できます。消費者ホットライン188で最寄りの窓口につながり、相談は無料です。
相談の際は、いつ・どこで・誰から・何を言われたかを整理して持っていくと話が早く進みます。契約書面と概要書面、パンフレット、メールのやりとりがあれば一緒に持参してください。
行政の側には、事業者への指示や業務停止といった措置の仕組みがあります。個別の返金がすぐ実現するわけではありませんが、同じ被害を止めることにはつながります。
まとめ
- 勧誘でも解除の場面でも、事実と違うことを告げてはいけない
- サービスの内容と効果、あわせて買う商品の種類や品質が対象
- 故意に事実を告げない行為も禁じられている
- 威迫して困惑させることも禁じられている
- 広告についても誇大広告の規制がある
- 禁止行為があった場合、クーリング・オフの起算点が変わる
その場で決めさせようとする力がかかったら、そこが判断のしどころです。
禁止行為が起きにくい相談所の見分け方
不実告知は「言った・言わない」になりやすいので、あとから争うより先に書いてあるものを見るほうが早い。料金と解約の条件が公式サイトにテキストで出ていれば、口頭の説明とずれたときに突き合わせられます。
記事末尾の表に挙げたシーネット結婚相談所は、料金ページで3コースとも税込のテキストで金額を出しています。期間の途中でやめる中途解約または休会については「成立しているお見合い、交際の清算が必要となります。」としたうえで、「清算に応じていただけない場合、契約書面記載の各ペナルティ費用を頂戴致します。」と書いています(2026年9月6日確認)。
費用がかかる場面は、清算に応じないときとして書かれています。その額そのものは契約書面のほうにあるので、契約前にその書面を見せてもらうところまでが確認になります。
金額が画像でしか出ていない相談所は、この突き合わせができません。
ウェルスマは中途解約の計算式そのものを特定商取引法に基づく表示にテキストで書いています(2026年9月1日確認)。提供開始後の解約は「提供されたサービスの対価に相当する額」と「2万円又は契約残額の20%のいずれか低い額」を足した範囲まで、提供開始前の解約は3万円までと請求額の上限が数字で示されています。
上限が数字で書いてあると、口頭の説明とその場で突き合わせられます。「特定商取引法に則り対応します」とだけ言われた場合は、この数字が書いてあるページを一緒に見せてもらってください。
この記事で確かめたこと
- 原文から引用した文
- 6件
- 出典
- 1件(法令 1)
- 公開
引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。