結婚相談所の離婚率は、国の統計と定義が違う
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「結婚相談所で結婚した人は離婚しにくい」と、国の離婚率だけからは分かりません。 国の数字は人口をもとにしたその年の率です。相談所の宣伝にある数字は、対象者や追跡期間が違うことがあります。比べるときは、大きいか小さいかより、誰をいつまで調べたかを先に聞いてください。
| 見かける数字 | 何を数えたか | その数字で分からないこと |
|---|---|---|
| 国の離婚率 | 日本人人口に対する、その年の離婚件数 | その年に結婚した夫婦のうち何組が離婚したか |
| 同じ年の離婚件数 ÷ 婚姻件数 | 別々の夫婦を数えた二つの件数 | 「何組に1組」が将来離婚するか |
| 相談所独自の離婚率 | その事業者が決めた調査の対象 | 全相談所の平均や、ほかの相談所との差 |
この表を先に見れば、異なる分母の数字を横に並べてしまう間違いを避けられます。
国の1.55は「夫婦の1.55%」ではない
厚生労働省の2024年人口動態統計(確定数)は、離婚率を人口千対で示しています。2024年の値は1.55で、人口1000人に対してその年に何組の離婚があったかを表します。既婚者だけを分母にした割合ではありません。
同資料の離婚件数の説明は次のとおりです。
離婚件数は 18 万 5904 組で、前年の 18 万 3814 組より 2090 組増加し、離婚率(人口千対)
この後に1.55と続きます。年ごとの変化を見るときは、件数と率の両方を確認します。人口が変われば、離婚件数が同じでも人口千対の率は変わるためです。婚姻も2024年は前年より増えています。
婚姻件数は 48 万 5092 組で、前年の 47 万 4741 組より 1 万 351 組増加し、
どちらも増えた年のデータを「結婚が減り離婚だけが増えた」と説明するのは不正確です。統計の年と比較対象を一緒に確かめましょう。
「3組に1組」は同じ夫婦を追った数字ではない
この言い回しを見たら、まず「分子はどの年に離婚した人か」「分母はどの年に結婚した人か」を紙に書いてみてください。同じ年の出来事でも、同じ夫婦とは限りません。全国の傾向と、これから相談所を使う自分の見通しも別の問いです。大きく見える数字ほど、自分が知りたい問いへ直結しているかを確かめる必要があります。
2024年の離婚185,904組を婚姻485,092組で割ると約38%になります。しかし、その年に離婚した夫婦の多くは、それ以前の年に結婚しています。この割り算を「2024年に結婚した人の38%が離婚する」と読むことはできません。
同じ夫婦を結婚後も追い、一定期間内に離婚した割合を測るなら、追跡する期間と連絡が取れなかった人の扱いが必要です。人口動態統計の年別件数は、その目的で作られた表ではありません。年別の件数から自分の結婚の見通しを決める前に、数字が答えている問いを確かめてください。
相談所の数字には、調べ方を聞く
たとえば「成婚退会者100人中、回答者20人で離婚の報告が1人」という調査と、「100人全員に確認して1人」という調査は、同じ1人でも意味が違います。これは調査方法を説明するための仮の数字で、特定の相談所の実績ではありません。未回答者を離婚していない人とみなすと、率が小さく見えることもあります。母数と回答率がない宣伝文から、将来の結果を予測しないでください。
人口動態統計から、相談所を通じて結婚した夫婦だけの離婚率を取り出すことはできません。相談所が「離婚率」を掲げている場合は、その事業者が独自に集めた数字と考え、調査の説明を読みます。ただし、調査方法を見ずに「会員へ連絡した人だけの数字」と断定もしません。
面談では、次の4点を聞けば比較できる数字か判断しやすくなります。
- 対象は成婚退会した全員か、一部の回答者か。
- いつ成婚した人を、何年後まで追ったか。
- 何人のうち何人から回答を得たか。未回答はどう扱ったか。
- 離婚の有無を何で確認したか。自己申告か、ほかの方法か。
答えが出なければ、数字の優劣を決めず「比較不能」としておきます。成婚率も分母の定義が変わるので、成婚率を読む手順で同じ観点を確認できます。広告の数値に根拠を求める仕組みは景品表示法にもありますが、読者が最初にできるのは、調査対象と方法を具体的に聞くことです。
数字が比べられないとき、契約で比べられるもの
面談で答えがあいまいなときは「離婚率が何%なら入会する」という条件を外して、契約前に手に入る資料を集めるほうが進みます。二つの相談所で、同じ活動期間、同じ紹介・面談の回数、同じ成婚料の発生条件を書き出します。途中で活動を休む可能性があれば、休会中の費用と契約期間がどうなるかも並べます。この情報なら、本人の予算と使える時間に照らして比べられます。
離婚率の調査方法がそろわなくても、自分が受ける支援と払う費用は契約する前に確かめられます。成婚の定義、成婚料が発生する時点、途中でやめる場合の精算を、同じ活動期間で比較してください。契約書面で確認する項目と相談所の比べ方を使えば、数字の印象だけで決めずに済みます。
たとえばシーネット結婚相談所は、成婚料を会員登録後1年以内と1年以降で分けて掲示しています。ウェルスマは税込の成婚料と、中途解約(途中でやめること)の上限を公式の案内に示しています。これらは記事制作時点で確認した記載で、実際に申し込むプランの総額や適用条件は、契約書面(契約したあとに渡される書面)などで確かめてください。数字の公開範囲の違いは、説明を聞くときの具体的な質問になります。
離婚率が気になるなら、その数字を否定するのではなく「対象者と期間を教えてください」と一つ聞いてみてください。答えが曖昧なら、比較できる契約条件を先にそろえるほうが、自分の判断に役立ちます。
この記事で確かめたこと
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