婚活の見取り図

婚姻届の不受理申出で無断の提出を防ぐ

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2026/9/21公開

自分の意思に反する婚姻届が出される心配があるなら、届出より前に戸籍窓口で「不受理申出」を相談できます。申出をした本人の出頭と確認ができない届出は、受理できません。

窓口での本人確認と、受理後に届く通知だけでは「先に止める」ことと同じではありません。制度の違いを把握してから、申出先と持参するものを確認してください。押印の有無だけで届出の安全性を判断するものでもありません。

無断の届出を心配しているなら、受理より前に動く

申出をしていない受理される場合がある

窓口で本人確認ができなくても、受理後に本人へ通知する仕組みがあります。

先に不受理申出をした本人確認できなければ受理できない

届出が出されたことも、申出人へ通知されます。

申出は「過去の受理を取り消す」手続きではありません。届出を心配している人が事前に戸籍窓口へ相談する制度です。

心配があるとき、先に窓口へ聞くこと

  1. 自分の本籍地と、今いる市区町村のどちらで申出を受け付けるか。
  2. 申出人本人の来庁方法と、必要な本人確認書類。
  3. 申出書の入手方法、受付日時、取下げの方法。

横浜市の案内では、本籍地以外の区でも提出でき、申出人本人の出頭と本人確認書類が必要とされています。郵送は受け付けていません。これは横浜市の窓口案内なので、実際に提出する自治体の方法を確認してください。法務省も不受理申出制度を案内しています。

窓口では本人確認を求められる(1項)

まず、窓口に出頭した人には本人確認が求められます。

全文を開く(340字)

市町村長は、届出によつて効力を生ずべき認知、縁組、離縁、婚姻又は離婚の届出(以下この条において「縁組等の届出」という。)が市役所又は町村役場に出頭した者によつてされる場合には、当該出頭した者に対し、法務省令で定めるところにより、当該出頭した者が届出事件の本人(認知にあつては認知する者、民法第七百九十七条第一項に規定する縁組にあつては養親となる者及び養子となる者の法定代理人、同法第八百十一条第二項に規定する離縁にあつては養親及び養子の法定代理人となるべき者とする。次項及び第三項において同じ。)であるかどうかの確認をするため、当該出頭した者を特定するために必要な氏名その他の法務省令で定める事項を示す運転免許証その他の資料の提供又はこれらの事項についての説明を求めるものとする。

婚姻届の場合、届出事件の本人は結婚する2人です。窓口に来た人が本人確認の対象で、窓口に来ていないもう一方(多くの場合、届出用紙に署名だけして本人は来ていない側)はこの時点では確認のしようがありません。戸籍法27条により、届出は書面でもできるとされているため、片方だけが窓口に行き、もう片方の署名欄が偽造されていても、書類のうえでは区別が付かない場合があります。

届出は、書面又は口頭でこれをすることができる。

確認できなかった人には、あとから通知が来る(2項)

本人確認ができないまま受理されてしまった場合の手当てが2項です。

全文を開く(158字)

市町村長は、縁組等の届出があつた場合において、届出事件の本人のうちに、前項の規定による措置によつては市役所又は町村役場に出頭して届け出たことを確認することができない者があるときは、当該縁組等の届出を受理した後遅滞なく、その者に対し、法務省令で定める方法により、当該縁組等の届出を受理したことを通知しなければならない。

通知が来るのは受理された「あと」です。受理そのものを止める効果はありません。知らないうちに婚姻届が出され、通知で初めて気づく、という順序になります。無断の届出を「出させない」ためには、次の3項の申出を先にしておく必要があります。

事前に申し出れば、受理を止められる(3項・4項)

本籍地の市区町村長に、あらかじめ申出をしておく制度が3項です。

全文を開く(148字)

何人も、その本籍地の市町村長に対し、あらかじめ、法務省令で定める方法により、自らを届出事件の本人とする縁組等の届出がされた場合であつても、自らが市役所又は町村役場に出頭して届け出たことを第一項の規定による措置により確認することができないときは当該縁組等の届出を受理しないよう申し出ることができる。

「何人も」とありますが、その届出で本人になる人が自分について申し出る制度です。親などの第三者が代わりに申出人になる制度ではありません。結婚を控えている人に限られません。対象は婚姻だけでなく、認知・養子縁組・離縁・離婚の届出も含みます。そして4項が、申出をしたあとの効果を定めます。

全文を開く(118字)

市町村長は、前項の規定による申出に係る縁組等の届出があつた場合において、当該申出をした者が市役所又は町村役場に出頭して届け出たことを第一項の規定による措置により確認することができなかつたときは、当該縁組等の届出を受理することができない。

申出をしておけば、自分が窓口に出頭して届け出たと確認できない場合、その届出は受理されません。 2項との違いはここです。2項は受理したあとに通知するだけですが、3項の申出をしていれば、4項により市町村長はその届出を受理できません。

申出をしていなくても窓口の審査はあります。本人確認ができなかった届出が受理される場合には、本人へ受理後の通知が来る仕組みです。申出後に受理できなかった場合の通知とは、届出の結果が違います。

受理されなかったときも通知が来る(5項)

申出をしていたことで受理されなかった場合、その結果も知らされます。

全文を開く(103字)

市町村長は、前項の規定により縁組等の届出を受理することができなかつた場合は、遅滞なく、第三項の規定による申出をした者に対し、法務省令で定める方法により、当該縁組等の届出があつたことを通知しなければならない。

誰かが自分を届出事件の本人として婚姻届を出そうとした事実が、受理されなかった場合でも申出人に伝わります。これは申出をしていなければ得られない情報です。無断の届出が「あったこと」自体を知る手段としても、申出には意味があります。

窓口はほかにも確認手段を持っている(27条の3)

不受理申出をしていない場合でも、窓口が何でも素通りさせるわけではありません。戸籍法27条の3は、市町村長に質問権と書類提出を求める権限を与えています。

市町村長は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、届出人、届出事件の本人その他の関係者に対し、質問をし、又は必要な書類の提出を求めることができる。

条文が挙げる場面は2つです。1号は、届出人が明らかにすべき事項が明らかにされていないとき。2号は、その他戸籍の記載のために必要があるときです。ただし、これは市町村長の判断で使う権限であって、届出人の権利ではありません。27条の2第3項の申出のように、自分から確実に効かせられる仕組みとは性質が違います。「窓口が疑わしいと思ったときに使えるだけの仕組み」で、無断の届出を確実に止めたいなら申出をしておくほうが早道です。

有効期間と取下げも窓口で確かめる

27条の2第3項は「あらかじめ」申し出ると定めています。横浜市の案内では、取下げなどで効力が失われない限り、期間の制限はないと説明しています。取下げは別の申出が必要です。利用する窓口の受付方法とともに、いつまで有効かを確かめてください。

婚約中・交際中でも申し出られる

3項は「あらかじめ」申し出るための制度なので、結婚していない段階でも利用できます。条文は縁組等の届出の相手方や交際状況を条件にしていません。別居や関係の悪化で相手が単独で婚姻届(または離婚届)を出しかねないと感じたときは、本籍地の市区町村の戸籍窓口で申出の方法を確認してください。方法そのもの(様式・持参物)は法務省令で定めるとされていて、条文には書かれていません。窓口での確認が必要です。

経歴を偽られた場合の取消しとは別の制度

この申出は、届出そのものを止める予防の制度です。すでに受理されてしまった婚姻の効力を争う場合は別の条文が働きます。経歴を偽られて婚姻した場合の取消しについては経歴を偽られた場合の婚姻の取消しにまとめました。不受理申出は「出させない」、取消しは「あとから効力を争う」という違いがあります。

この記事で確かめたこと

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