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結婚相談所は中途解約できる

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入会の説明で「途中でやめても返金はできません」と言われることがあります。

契約書にそう書いてあることもあります。ただ、結婚相手紹介サービスは法律が中途解約を認めている類型です。契約書の文言より条文が優先します。

政令の別表に載っている

特定商取引法施行令の別表には、対象となる役務が番号を振って明記されています。その七番目がこれです。

七 結婚を希望する者への異性の紹介

つまり結婚相談所のサービスは、法律が名指しで指定している「特定継続的役務」です。エステや語学教室と同じ枠に入っています。

該当する条件は期間と金額

すべての契約が対象になるわけではありません。法律の定義はこうです。

役務提供事業者が、特定継続的役務をそれぞれの特定継続的役務ごとに政令で定める期間を超える期間にわたり提供することを約し、相手方がこれに応じて政令で定める金額を超える金銭を支払うことを約する契約(以下この章において「特定継続的役務提供契約」という。)を締結して行う特定継続的役務の提供

政令が定める基準は、結婚相手紹介サービスの場合こうなっています。

項目基準
期間二月(2か月)を超える
金額5万円を超える

両方を超えたときに該当します。 一般的な結婚相談所の契約は、入会金と月会費を合わせれば5万円を超え、期間も数か月から1年になるので、ほとんどが該当します。

逆に、1回だけのお見合いパーティーや、2か月以内で終わる短期プランはこの枠から外れることがあります。契約書の期間と総額を先に見てください。

8日間のクーリング・オフ

まず契約直後の解除です。

役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務提供等契約を締結した場合におけるその特定継続的役務提供受領者等は、第四十二条第二項又は第三項の書面を受領した日から起算して八日を経過したとき(特定継続的役務提供受領者等が、役務提供事業者若しくは販売業者が第四十四条第一項の規定に違反してこの項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は役務提供事業者若しくは販売業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでにこの項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除を行わなかつた場合には、当該特定継続的役務提供受領者等が、当該役務提供事業者又は当該販売業者が主務省令で定めるところによりこの項の規定による当該特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過したとき)を除き、書面又は電磁的記録によりその特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる。

長い条文ですが、押さえるのは3点です。

  1. 起算点は契約書面を受け取った日(契約した日ではない)
  2. 8日間
  3. 書面または電磁的記録で行う(口頭では足りない)

括弧の中は例外です。事業者が解除について事実と違うことを告げたり、威迫して困惑させたりして8日を過ぎた場合は、改めて解除できる旨を書いた書面を受け取った日から8日になります。つまり過ぎていても終わりとは限りません。

8日を過ぎても中途解約できる

クーリング・オフの期間が過ぎた後も、将来に向かって解除できます。このとき事業者が請求できる額には上限があります。

当該特定継続的役務提供契約の解除によつて通常生ずる損害の額として第四十一条第二項の政令で定める役務ごとに政令で定める額

その政令の額が、結婚相手紹介サービスではこうなっています。

いつ解約するか事業者が請求できる上限
役務の提供開始前3万円
役務の提供開始後二万円又は契約残額の百分の二十に相当する額のいずれか低い額

引用のとおり、提供開始後は次の定めです。

二万円又は契約残額の百分の二十に相当する額のいずれか低い額

「いずれか低い額」です。契約残額が30万円なら20%は6万円ですが、2万円のほうが低いので上限は2万円になります。つまり多くの場合は2万円が天井になります。

これに加えて、すでに提供された役務の対価は支払うことになります。ただし「解約金50%」といった契約書の定めは、この上限を超える部分について効きません。

広告の数字にも規制がある

成婚率や会員数の表示についても条文があります。

役務提供事業者又は販売業者は、特定継続的役務提供をする場合の特定継続的役務の提供条件又は特定継続的役務の提供を受ける権利の販売条件について広告をするときは、当該特定継続的役務の内容又は効果その他の主務省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。

誇大広告は禁止されています。 主務大臣は、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができ、出さなければ誇大広告に該当するとみなされます。

成婚率を見るときは、分母と成婚の定義を聞いてください。定義は事業者ごとに違い、そこが揃っていない数字は比べられません。

関連商品にも解除が及ぶ

結婚相談所では、契約と一緒に写真撮影や服装のアドバイスを勧められることがあります。これらが契約の一部として販売された場合、関連商品としてまとめて解除できる場合があります。

判断は個別になるので、契約書に別の商品やサービスが載っているなら、その分の金額と、解除したときにどう扱われるかを契約前に確認してください。

「本体は解約できるが、写真代は返さない」と言われたときに、契約書のどこにそれが書かれていたかで話が変わります。

名称が違っても中身で判断する

「結婚相談所」ではなく「婚活サポート」「マッチングサービス」と名乗っていても、やっていることが異性の紹介なら、政令の別表の役務に当たります。

判定は名称ではなく中身です。逆に、紹介を伴わないプロフィール掲載だけのサービスは、この枠に入らないことがあります。

自分が受けるサービスに「相手を紹介してもらう」工程があるかで見てください。

契約する前に見るところ

  1. 契約期間が2か月を超えるか
  2. 総額が5万円を超えるか
  3. 概要書面と契約書面を受け取った日(クーリング・オフの起算点)
  4. 中途解約の条項に、上限を超える額が書かれていないか

1と2が両方そろえば、3と4の権利がついてきます。

比べ方は相談所は契約の形から比べるにまとめました。解約の手順は解約は書面で、日付を残して行うにあります。

8日を数えるときの注意

8日は初日を含めて数えます。書面を受け取った日が1日目です。週末や祝日も含みます。

期限の日に郵便局が閉まっている場合に備えて、受け取ったらその週のうちに判断するくらいの余裕を見ておくのが実際的です。

発した日が基準なので、消印の日付が期間内であれば足ります。到達が9日目になっても構いません。

まとめ

  • 結婚相手紹介サービスは政令の別表に載っている特定継続的役務
  • 該当するのは期間2か月超かつ金額5万円超の契約
  • 書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフできる
  • 過ぎても中途解約できる。事業者が請求できる額には政令の上限がある
  • 提供開始後の上限は2万円か契約残額の20%の低いほう
  • 「解約不可」「返金不可」の条項は、この上限を超える部分では効かない

契約書にどう書いてあっても、まず期間と金額を確かめてください。

出典